医療法人社団の「社員」って?NEWS & BLOG

ブログ

医療法人の「社員」って、スタッフのこと?出資者のこと?

「医療法人の社員って、クリニックで働いている人のことですか?それとも出資した人のことですか?」
こうしたお問い合わせをいただくことが時々あります。
実は、「社員」という言葉が、一般的な「従業員」や「スタッフ」とは違う意味で使われているため、混乱しやすいポイントなんです。
今回は、「社員」と「出資持分」の関係について整理してみました。

医療法人社団における「社員」とは

医療法人社団の「社員」とは、法人の運営に関わる“構成員”のこと。
イメージとしては株式会社でいう「株主総会」にあたる「社員総会」で、重要な事項を決定する役割を担います。
つまり、医師や看護師などのスタッフではなく、法人の意思決定に関わる立場の人を指します。

社員と社員総会は、医療法人の“心臓部

社員総会では、法人の方向性に関わる重要なことが話し合われ、決定されます。たとえば;

● 理事を選ぶ

● 定款(法人のルール)を変更する

● 事業の方針や財産の扱いを承認する

社員は、こうした意思決定に参加する責任ある立場です。
つまり、「社員=ただの肩書き」ではなく、「法人の意思を動かす人たち」なのです。

出資持分との関係は

2007年の医療法改正より前に設立された医療法人では、「出資持分」という財産的な権利を持つ法人もあります。
これは、法人が解散したときに、出資額に応じて財産を受け取れる権利です。

ただし、出資持分があるからといって、必ず「社員」になるわけではありません。
また、出資していなくても「社員」になる場合もあります。
社員になるには、法人の定款(ルール)に基づいて承認される必要があります。

まとめ
社員: 医療法人の運営に関わる構成員。スタッフではない。
出資持分: 2007年以前に設立された法人で、出資者が持つ財産的な権利。
両者の関係: 出資者=社員とは限らない。別々に考える必要あり。

医療法人の制度は少し複雑ですが、こうした基本的な仕組みを知っておくと、事業承継や法人運営の場面でも安心です。

Posted by 内山映美

NEWS & BLOGお知らせ&ブログ一覧

PAGE TOP